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2009年12月

演奏会レポート:多川響子 ベートーヴェン ピアノソナタ完全全曲リサイタル vol.3

ベートーヴェンのピアノソナタ32曲と選帝侯ソナタ3曲を合わせた、35曲の完全全曲リサイタルの3回目です。今回で足掛け3年、全9回のチクルスも1年目、全体の3分の1を終えることになります。

2009年12月13日(日) 15:00 ザ・フェニックスホール
多川響子 ベートーヴェン ピアノソナタ完全全曲リサイタル vol.3

ピアノ 多川響子
解説 横原千史(音楽評論家)

曲目
ピアノソナタ第2番 イ長調 Op.2-2
ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」
ピアノソナタ第9番 ホ長調 Op.14-1
ピアノソナタ第28番 イ長調 Op.101

開演前の14:30から、音楽評論家の横原さんと多川さんによるプレトークがあり、このプレトークがこのシリーズの特徴のひとつです。
「月光」が、後の「運命」や「第九」に見られる、フィナーレに向かってどんどん突き進み、フィナーレでクライマックスを迎える、「ベートーヴェン様式」とでも言うべきスタイルの始まりである、という指摘や、ピアノソナタ9番を弦楽四重奏に編曲した版(Hess34)の冒頭部分を聴かせて頂いたりと、新たに知ることの多いプレトークでした。

今回は1階席の前の方の左側の席から、多川さんの手の動きに注目しながら聴いていました。プレトークのときに多川さんが「2番のソナタは初期のソナタだから易しいということはなく、むしろ初期のソナタだから難しい」とおっしゃっていましたが、何というか、ピアノを触ったことのない素人には絶対に不可能な手の動きがあった様に記憶しています。
また、28番の終楽章で4声のフーガが出てくる部分も「弦楽器ならそれぞれがひとつの旋律を弾いていればいいけれど、ピアノで4声は難しい」という横原さんと多川さんのプレトークでの会話を思い出しながら聴いていると、アレグロで演奏される4声フーガというのがどれほど難しいか思い知らされました。
つくづく、ベートーヴェンは新しい技法やスタイルを生み出し続けていたものだと認識を新たにした次第です。

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演奏会レポート:フォーレ四重奏団

平日の昼間の演奏会でしたが、どうしてもマーラーのピアノ四重奏曲を聴きたかったので仕事を休んで聴きに行ってきました。

2009年12月4日(金) 14:00 ザ・フェニックスホール
ティータイムコンサートシリーズ74 フォーレ四重奏団

曲目
マーラー      ピアノ四重奏曲 断章 イ短調
メンデルスゾーン ピアノ四重奏曲 第2番 ヘ短調 作品2
ブラームス     ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25

マーラーのピアノ四重奏曲は、マーラーがウィーン音楽院の学生だった1876年(16歳)の作品で、第1楽章のみが残されています。フォーレ四重奏団による演奏はゆったり目のテンポと部厚い響きが特徴的な、室内楽的というよりはむしろ交響的な演奏で、後の交響曲作家マーラーを髣髴とさせるものでした。手持ちの3種類の録音と聴き比べて異なると感じたのは、曲の終わりの方でピアノの和音と弦のピツィカートが入る部分を強く、スタッカート気味に演奏することでアクセントをつけているように感じられたことでしょうか。
メンデルスゾーンのピアノ四重奏曲は初めて聴く曲で、こちらも15歳の頃の作品ということで、明朗な雰囲気でピアノ重視な曲と感じました。

休憩を挟んでのブラームスのピアノ四重奏曲第1番は、ただでさえ交響的なこの曲を、厚い響きで演奏することでさらに交響的に感じました。部厚い響きで演奏された第4楽章のコーダの迫力は圧巻!思わずブラボーの声が出ました。

アンコールにはシューマンのピアノ四重奏曲とタンゴが演奏されました。
次の機会があれば、ぜひもう一度聴きたいと思ったアンサンブルでした。

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演奏会案内:2010年1月

2010年1月に聴きに行きたい演奏会をピックアップしました。特に楽しみなのは、菊池洋子さんによるモーツァルトと、京響定期のショスタコーヴィチです。

1月9日(土)14:00 びわ湖ホール 小ホール
びわ湖からはばたく 黒川 侑(ヴァイオリン)
ピアノ 林 絵理

曲目
ヘンデル    ソナタ 第3番 ヘ長調
ブラームス   ソナタ 第1番 ト長調「雨の歌」
プロコフィエフ  ソナタ 第1番 ヘ短調 op.80
サラサーテ   ツィゴイネルワイゼン

1月10日(日)14:30 京都コンサートホール 大ホール
京都市交響楽団 特別演奏会 ニューイヤーコンサート

指揮 川瀬賢太郎
ピアノ 菊池洋子

曲目
スメタナ    「わが祖国」より "モルダウ"
モーツァルト  ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ドヴォルザーク 交響曲 第8番 ト長調 op.88

1月21日(木)19:00 京都コンサートホール 小ホール
フィルハーモニア・カルテット ベルリン

ピアノ 笠原純子

曲目
ハイドン   弦楽四重奏曲 第77番 ハ長調 op.76-3 Hob.III-77「皇帝」
モーツァルト 弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421 [ハイドン・セット 第2番]
シューマン  ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44

1月22日(金)19:00 京都コンサートホール 大ホール
京都市交響楽団 第531回定期演奏会

指揮 外山雄三
チェロ ガブリエル・リプキン

曲目
(開演前プレトーク)
フォーレ      組曲「ペレアスとメリザンド」op.80
サン=サーンス  チェロ協奏曲 第1番 イ短調 op.33
ショスタコーヴィチ 交響曲 第10番 ホ短調 op.93

1月30日(土)18:00 京都コンサートホール 小ホール
竹澤恭子 ヴァイオリンリサイタル

曲目
ブラームス ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 op.78「雨の歌」
       ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.100
       ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 op.108

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