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2009年6月

演奏会レポート:大植英次/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー

ネットでこのコンサートの情報を知ったときには、おそらく出遅れているのでは?、と思ってチケットの入手を諦めていたのですが、先週、チケットぴあのサイトを見たらまだチケットが残っていたので速攻で入手しました。

2009年6月21日(日) 14:00 ザ・シンフォニーホール

ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
指揮:大植英次

曲目
マーラー 交響曲第9番

プログラムによると、大植英次にとってマーラーの第9は非常に特別な曲であったらしいです。
1979年8月のタングルウッド音楽祭でバーンスタイン指揮/ボストン交響楽団の演奏で初めて聴き、「物凄いものを聴いた」感動で涙が止まらなかった、指揮をできるようになったのがようやく最近になってのことでハノーファーの首席指揮者としての最後の定期演奏会を兼ねた今回の日本公演の曲目を選ぶ際も、「これをやりたい」と思っていた本人が何も言わないうちに、オーケストラの方から「マーラーの9番で」と提案されたとのことです。

もちろん、私にとってもマーラーの9番は特別な曲で、今からちょうど20年前、大学に入った直後にたまたま読んだ本で、バーンスタイン/アムステルダム・コンセルトヘボウのマーラーの9番がいい、と知って聴いてみたのですが、一度聴いてすっかり虜になり、その後1ヶ月間、通学電車の中のウォークマン、自宅でもCDで聴き続け、その1ヶ月間だけで100回近く聴いたのではないかと思います。この経験が、クラシック音楽に深く入り込むきっかけになったのでした。

演奏は、殊に弦楽器の音色の美しさが印象深かったのですが、もちろん木管、金管も絶品でした。テンポ設定は、バーンスタイン/アムステルダム・コンセルトヘボウのCDよりも遅めで、実演、CD含めて今までに聴いた演奏の中では、おそらく最もゆったりしたテンポだったと思います。
全曲を通して、穏やかな部分と荒々しい部分とのコントラストが際立っており、非常に胸を打つ演奏でした。
第1楽章の冒頭で思わず涙をぬぐってしまったほどです。

第4楽章が消え行くように終わった後、大植さんは30秒ほど身動きもせず、聴衆も息をひそめて大植さんがタクトを下ろすのを待っていました。その後の拍手は30分近く鳴り響き続けました。
大植さんがそれぞれのパートの奏者に拍手を送るのみならず、オーケストラのメンバー全員から大植さんに拍手を送る姿を見て、大植さんとハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーのメンバーの間の信頼関係を垣間見た気がしました。

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6月21日 大植英次/ハノーファー北ドイツフィルハーモニー:マーラー第9

シンフォニーホールでの演奏会、チケットはとっくに売り切れていると思っていたら、まだ残っていました。
大植英次が大フィルの指揮者になってから、まだ大フィルの演奏会にも行けていないので、大植英次の指揮を聴く事自体が初めてで、しかもドイツのオケでマーラー第9を聴けるのも、そうそうない機会なので1万3000円で速攻チケットを購入しました。

しかし・・・6月に入ってから妙に頭が疲れやすくなってるので、マーラー第9を無事に全曲聴きとおせるかどうかは不明ですが。

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演奏会レポート:宮崎 剛 ピアノで第九!

ベートーヴェンの第九をワーグナーがピアノ・ソロ用に編曲した版のCDが10年ほど前にリリースされたのですが、まさか実演でそれを聴く機会が来るとは思っていなかったので、一片の迷いもなく聴きに出かけました。

2009年6月6日(土) 15:00 いずみホール

ピアノ 宮崎剛
ソプラノ 雑賀美可
アルト  田中友輝子
テノール 小餅谷哲男
バリトン 田中勉
合唱  京都バッハ合唱団

曲目
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」
ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付」(リヒャルト・ワーグナー編曲によるピアノ独奏版)

「月光」については、演奏そのものよりも演出の方が印象に残りました。ピアノと演奏者だけに光が当たるようにステージ上の照明を非常に落としていて、パイプオルガンに青い光が当たるようにして、まるで月明かりの下で音楽を聴いているかのような気にさせる・・・。正直、演出過剰かな、とも思いました。

「月光」はさておき(^^;)、ワーグナー編曲版の第九は、これを実演で聴けること自体が貴重な体験でした。
第九のピアノ編曲版は、リスト編曲版の方が有名かと思いますので、簡単に比較してみます。
リスト版は声楽パートまでピアのように編曲することによってピアノ作品として完結しているのに対し、ワーグナー版はあくまでもオーケストラパートのみをピアノに置き換えています。また、演奏者自身による解説では、

全体としてリスト版ではオーケストラでよく使われるがピアノ奏法としては難しい同音の連続をできるだけ避けた編曲となっているのに対し、ワーグナー版はオーケストラの奏法をそのままピアノに転用しようとしている。

とのことで、聴いた印象としても、「ピアノ作品」としての観点から見て、ワーグナー番よりもリスト版の方が聴き易いけれど、荒削りながらも力強さはワーグナー版の方が上回っているように感じました。

演奏については、第1楽章から第3楽章までは、ピアノ独奏作品として、通常のピアノの配置でしたが、第3楽章のあと15分の休憩を置き、その間にピアノの蓋を外してピアノ奏者が独唱者、合唱の方を向くように配置をされました。
第4楽章の合唱部分に差し掛かると、「弾き振り」と言うほどではないにしても、ピアノ奏者が合唱に対して手や頭の動きで合図を送る場面も見られました。
また、通常の第九が演奏される規模のホールよりも小さいホールであるためか、独唱、合唱の声量が非常に大きく感じられ、時としてピアノの音がかき消されそうになることもあり、普段聴く第九とは音量バランスが異なっていて、これも貴重な体験ができたかと思います。

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1Q84

今話題になっている、村上春樹の1Q84を読み終えました。日曜日に読み始めたので4日かかりました。
日曜日はコンサートを聴きに行っているし、ウィークデーは仕事があるので、1Q84に割く時間は1日平均4時間ほどだったと思います。

村上春樹の長編作品を読むときは、1読目で物語の「構造」を把握しつつあらすじを頭に入れ、2読目では頭に入れたあらすじに沿ってディテールを読み込み、3読目で再度ディテールを読み込みながらそこに書かれているものの意味を解釈する。こういった流れで読むことが多いのですが、今回もその手順を踏むことになりそうです。

読み進めているうちに、新興宗教集団の話が出てきたので、「アンダーグラウンド」や「約束された場所で」を再読してみようかとも考えましたが、そうすることにそれほどの意味はなさそうです。

物語の核心である、「リトル・ピープル」や「空気さなぎ」にどのような意味を見出していけばいいのか、そんなことを考えながら、2読目はもう少しゆっくりペースで読んでみようと考えています。

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演奏会案内:2009年7月

2009年7月に聴きに行きたい演奏会を列挙します。最初は京響定期しか聴きたいものが見当たらなかったのですが、意外なプログラムが出てきました。

09.7.17(金)18:30 ザ・フェニックスホール
夏祭 なにわなくとも室内楽2009 フレンチはお好き? [第2夜] 絃(いと)高き調べ, いと高き世界・・・

構成・監修 網干 毅
ピアノ    笹村直子、細見理恵、宮本聖子
ヴァイオリン 田辺良子、池川章子
ヴィオラ   三木香奈
チェロ    日野俊介、斎藤建寛
クラリネット 青山秀直

曲目
ミヨー    世界の創造 op.81
ドビュッシー ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ラヴェル   ピアノ三重奏曲 イ短調
フォーレ   エレジー op.24、シシリエンヌ op.78
メシアン   世の終わりのための四重奏曲

これだけ聴き処満載の演奏会であれば、会社を1時間早退しなければならないが、そうするだけの価値はあるかも。

09.7.20(月・祝)13:30/17:00 ザ・シンフォニーホール
大阪シンフォニカー交響楽団 第57回名曲コンサート

指揮 ウラディーミル・ヴァーレック
ピアノ 田部京子

曲目
メンデルスゾーン 序曲「真夏の夜の夢」op.21
モーツァルト    ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
ブラームス    交響曲 第2番 ニ長調 op.73

単純にモーツァルトのピアノ協奏曲27番を聴きたい一点でリストアップです。

09.7.23(木)19:00 京都コンサートホール 大ホール
京都市交響楽団 第526回定期演奏会

指揮 大野和士

曲目
(開演前プレトーク)
ラヴェル      ラ・ヴァルス、マ・メール・ロワ
ショスタコーヴィチ 交響曲 第5番 ニ短調

ラヴェルとショスタコーヴィチの組み合わせは若干「?」ですが、久々に聴くショスタコーヴィチが非常に楽しみです。

09.7.24(金)19:00 京都府立府民ホール アルティ
石上真由子 ヴァイオリンリサイタル 京の俊英演奏家シリーズ Vol.36

ピアノ 船橋美穂

曲目
ヤナーチェク ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ジョリヴェ   スイット ラプソディック
イザイ    ポエム エレジエック
ルクー    ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

ルクーのヴァイオリン・ソナタが取り上げられるという一点でリストアップ。ヴァイオリンの石上さんは初めて聴きますが、ピアノの船橋さんは過去に何度か聴いていて、アンサンブル・ピアニストとして安心して聴ける方なので、その点で楽しみです。

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演奏会レポート:ベートーヴェン35のソナタ 多川響子ピアノソナタ完全全曲リサイタル vol.1

ベートーヴェンのピアノソナタと言えば32曲ですが、それにボン時代の12歳ごろに書かれた3曲の選帝侯ソナタを加えた合計35曲を3年にわたって9回のリサイタルで演奏しよう、というプロジェクトで、非常に興味を持って出かけてきました。

2009年5月31日(日) 15:00 ザ・フェニックスホール

ピアノ     多川響子
音楽評論家 横原千史

曲目
ピアノソナタ第1番 ヘ短調 Op.2-1
ピアノソナタ第12番 変イ長調 Op.26「葬送」
選帝侯ソナタ ニ長調 WoO.47-3
ピアノソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」

14:30からのプレトークでは、音楽評論家の横原千史氏によって、ハイドンとベートーヴェンの関係や、1800年前後の時代背景、ベートーヴェンのごく初期の作品をCDで再現しての紹介され、多川さんからは演奏する各曲の聴き処などが紹介されました。プレトークとしてはかなり内容が濃く、レクチャー・コンサートと言ってもいいくらいの内容でした。

バックハウスによる全集を一応持ってはいるものの、1番と12番はまともに聴いたことがなく、選帝侯ソナタはまったくの初めて、そこそこ聴き馴染んでいるのは「熱情」だけ、という状態で聴きに出かけましたが、演奏自体もとても楽しめました。

第1番は、ヘ短調という、ハイドンであれば使うことのなかった調性を使っていること自体がベートーヴェンらしさの表れ、と言った内容がプレトークであったと記憶していますが、第4楽章の不安気な曲調はやはりベートーヴェン独自のものと感じました。
第12番「葬送」は第1楽章の非常に美しい変奏曲が非常に印象に残りました。

休憩を挟んでの選帝侯ソナタ。選帝侯ソナタが書かれた頃、ピアノはまだ普及しておらず、ベートーヴェンはチェンバロやクラヴィコードで演奏することを念頭に選帝侯ソナタを書いたものと考えられているそうです。そんなこともあってか、ピアノで弾くには随分速いパッセージもありました。
プログラムの最後の「熱情」は、非常に推進力のある演奏だったと感じました。

総じて言えば、多川さんのこのシリーズは可能な限り全部聴いてみたい、さらに言えば、全部聴けるように2011年12月の第9回まで、このシリーズを最優先にあらゆるスケジュールを調整しようとまで思いました。
次回の第2回は、9月6日にバロックザールで、6番、18番、16番、17番「テンペスト」です。これから時間をかけて予習しよう。

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