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村上春樹さんのエルサレム賞受賞記念講演

先日、ネットやテレビのニュースで、作家の村上春樹さんがイスラエルの文学賞である「エルサレム賞」を受賞されたと報じられました。
そのときの村上さんのスピーチのうち、「高くて頑丈な壁と、壁にぶつかれば壊れてしまう卵があるなら、私はいつでも卵の側に立とう」というフレーズだけが取り上げられていたのですが、この度、毎日新聞のサイトでスピーチの全文が掲載されました。

学生時代に「ノルウェイの森」がベストセラーになっていたものの、あえてそれをやり過ごし、その10年後(今から10年ほど前)にとあるきっかけで「ねじまき鳥クロニクル」を読んですっかり村上さんの作品のとりこになったのですが、今回のスピーチでも村上さん独特の世界観(誰も真似のしようのない隠喩やジョークのセンスも含めて)が現れていたように思います。

特に私の胸を打ったのは、以下のくだりです。

きょう私が皆さんにお伝えしたいのは、たった一つです。私たちは皆、国籍や人種や宗教を超えて人間であり、体制という名の頑丈な壁と向き合う壊れやすい卵だということです。どう見ても、私たちに勝ち目はなさそうです。壁はあまりにも高く、強く、冷酷です。もし勝つ希望がわずかでもあるとすれば、私たち自身の魂も他の人の魂も、それぞれに独自性があり、掛け替えのないものなのだと信じること、魂が触れ合うことで得られる温かさを心から信じることから見つけねばなりません。

 少し時間を割いて考えてみてください。私たちはそれぞれ形のある生きた魂を持っています。体制にそんなものはありません。自分たちが体制に搾取されるのを許してはなりません。体制に生命を持たせてはなりません。体制が私たちを作ったのではなく、私たちが体制を作ったのですから。

これは、イスラエルに限らず、程度の差はあれ、どこの国のどのような体制についても言えるのではないでしょうか。
それは、近隣の独裁体制国家は言うに及ばず、日本やアメリカも例外ではありません。

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