« 演奏会案内:2009年1月分 | トップページ | 怒涛の2008年の大晦日 »

演奏会レポート:2つの第九

12月下旬から1月中旬にかけて、ベートーヴェンの曲を中心に聴きに行く「ベートーヴェン強化月間」と化している(^^;)のですが、第1弾に若林顕さんのリサイタル、第2弾に京響の演奏会を聴きに行きました。

2008年12月20日(土) 14:00 京都コンサートホール 小ホール
若林 顕 ピアノ・リサイタル「たった1人の第九」

曲目
ベートーヴェン       ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 op.57「熱情」
ベートーヴェン(リスト 編) 交響曲 第9番 ニ短調 op.125

「熱情」はリサイタルでは初めて聴きましたが、おそらく、非常に正統的な演奏ではなかったかと思います。
休憩を挟んでの第九。リストによるピアノソロ編曲版はNaxosのCDで聴いたことはありましたが、当然ながら実演は初めて。
ピアノ1台だけで演奏されているのですが、弦楽器、管楽器、打楽器の音色を無意識的に頭の中で再現してしまい、オリジナルの管弦楽版の演奏を聴いているかのような気にさえなりました。
問題の第4楽章、独唱および合唱の入るところでは、歌パートの単旋律の方がメインで、管弦楽パートの方は伴奏として扱われているように感じ、ピアノによる単旋律にも関わらず、頭の中で歌詞を再現してしまいました。コーダのプレストはさすがにピアノで演奏するには厳しいものはありましたが、聴いていて非常に気分が高揚する、そんな演奏でした。

アンコールは、千住明のエターナルストーリーと、バッハのプレリュード(平均律第1巻第1番でないことだけは確かですが・・・)。

ちなみに、若林さんによる、リスト編曲版の第九は最近CDがリリースされました。

12月26日(金)19:00 京都コンサートホール 大ホール
京都市交響楽団 特別演奏会 第九コンサート

指揮    広上淳一
ソプラノ   釜洞祐子
メゾソプラノ 菅 有実子
テノール   市原多朗
バリトン   河野克典

曲目
モーツァルト  アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
ベートーヴェン 交響曲 第9番 ニ短調 op.125「合唱付」

こちらはベートーヴェンのオリジナル管弦楽+独唱+合唱版です。この通常バージョンで第九を聴くのはおそらく数年ぶりではないかと思われます。
そのとき聴いたのは、某アマチュア合唱団主催のものでしたが、ウムラウトつきで発音するはずのところをウムラウトつきとウムラウトなしで発声する人が混じっていて、それを聴いた瞬間にげんなりしてしまった経験があり、ちょっとしたトラウマになってしまって、しばらく第九を避けていた、というのが本当のところなのですが。

今回はチケット確保に出遅れてしまい、確保できたのはボディウム席。指揮者の顔を見下ろすことができる位置でした。最初は「えーっ」と思ったのですが、「まあ、たまにはこういう席で聴いてみるのも一興かな」とポジティブに考えを切り替えました(笑)

今回のプログラムのモーツァルトは、ケッヘル番号からも推測できる通り1791年の作品で、弦楽合奏+合唱という編成の宗教曲。晩年のモーツァルト作品に独特な澄み切った音楽でした。プログラムによると、この作品が作曲されたバーデンでベートーヴェンも第九を作曲した、といういわば「バーデンつながり」(?)で取り上げられたようです。

第九は、気持ち速めのテンポ。今回は合唱パートの人数が少なくて、オーケストラと同じ舞台に立っていたために、オーケストラの編成はやや小さめ。ちょっと響きが薄いとも感じましたが、その分小回りが効いていたようにも感じました。
第4楽章は、第1楽章、第2楽章、第3楽章のエピソードを低弦による歓喜の歌の主題で否定してから、歓喜の歌をまず管弦楽で導入し、独唱と合唱に導いていく、という巧みさに、いつどんな演奏で聴いても感銘を受けるのですが、今回の演奏でも感銘を受け、思わず目頭が熱くなりました。

第九の演奏会で通常アンコールはないのですが、今回は特別にアンコールがありました。大河ドラマ「篤姫」のテーマ曲でした。
「いろいろあったけど、優しく穏やかに過ごそうよ」というメッセージが感じられ、今年を象徴する1曲なのかな、とも思いました。

ところで。
広上さんの指揮を聴くのは今回初めてでしたが、結構唸り声がすごかった(笑)
通常の客席で聴いていて聞こえたかどうかは不明ですが、そこはボディウム席の役得というべきか・・・?
「指揮者の唸り声マニア」というジャンルの人には堪らないかも。

今年は、大晦日に東京文化会館で、ベートーヴェンの中期・後期弦楽四重奏曲を7時間聴き倒して締めくくります。

|

« 演奏会案内:2009年1月分 | トップページ | 怒涛の2008年の大晦日 »

演奏会レポート」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/225253/43489341

この記事へのトラックバック一覧です: 演奏会レポート:2つの第九:

« 演奏会案内:2009年1月分 | トップページ | 怒涛の2008年の大晦日 »