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2007年11月

演奏会レポート:磯絵里子ヴァイオリン・リサイタル

以前、東京文化会館のwebサイトで見つけた磯絵里子さんのリサイタルを聴きに行きました。演奏会を聴きに東京まで行くのは何年ぶりだろう・・・。

2007年11月27日
デビュー10周年記念 磯 絵里子 ヴァイオリン・リサイタル・シリーズ第1回
”ベルギー・コレクション”
東京文化会館 小ホール)

曲目
ヴュータン 失望 作品7-2
イザイ   遠い過去 作品11-3
イザイ   悲劇的な詩 作品12
ヴュータン ラメント 作品48-18
ヴュータン ロンディーノ 作品32-2
ヴュータン アメリカの思い出 作品17
       (ヤンキー・ドゥードゥルによるおどけた変奏曲)
ルクー   ヴァイオリン・ソナタ ト長調

演奏者
磯絵里子(ヴァイオリン)
岡田将(ピアノ)

当日、会場の外にNHKの中継車が停まっていたので、何か中継でもするのかな、と思っていたら、プログラムに
「本日の演奏会はNHKにより収録されます。」
とありました。放送日時はまだ決まっていないようですが。

プログラムは前半がヴュータンとイザイの小品、後半がルクーのソナタと、全てベルギーの作曲家の作品でした。ベルギー留学の経験があるという磯さんとしては非常に力の入ったプログラムではないかと容易に想像がつきます。

前半のヴュータンとイザイの小品は、ヴァイオリンの技法を生かした聴き応えのある曲ばかりでした。
イザイの「悲劇的な詩」はプログラムによると最低弦のG弦の調律を一音下げて演奏するとの事で、曲が始まる前に調弦をしていました。前半最後の、ヴュータンの「アメリカの思い出」は「ヤンキー・ドゥードゥル」(日本では「アルプス一万尺」でおなじみ)の旋律による変奏曲ですが、曲が進むにつれ技巧的な変奏になり聴いていて楽しくなる曲でした。

後半のルクーのソナタ。実はこの曲(だけ、と言ってもいい)が目当てで東京まで聴きに出かけたわけですが、正直なところ、期待したほどでもなかったというのが率直な感想です。やや速めのテンポのさらっと流した感じの演奏で、また全曲を通じて数回、ヴァイオリンの音色が一瞬乱れる部分が見受けられました。個人的には、ルクーが21歳で書いた野心溢れる作品なのだからパッション溢れる演奏を期待していたのですが、磯さんの演奏はパッションを剥き出しにするというよりも安全運転に徹しようとした、という印象で、ルクーに関しては物足りなさが残る演奏でした。

・・・まあ、個人的には首都圏在住のフランス音楽好きの友人と数年ぶりに会えて、その後食事しながら話せたことの方が良かったかな、と思いますが。

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演奏会レポート:イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル

演奏会案内の記事でも紹介していましたが、京都のバロックザールでイリーナ・メジューエワのピアノリサイタルが開催されたので聴きに行ってきました。

2007年11月11日
京都のイリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル(京都市・青山音楽記念館 バロックザール

曲目
ベルク    ピアノ・ソナタ 作品1
ブラームス  4つのバラード 作品10
シューベルト ピアノ・ソナタ第20番イ長調

今回のリサイタルで少し珍しいと思ったのは、ベルク、ブラームス、シューベルト、そしてアンコールのシューベルトの小品も全てスコアを置いての演奏だった、という点でしょう。
メジューエワさんがスコアを抱えて舞台に登場されたのでスコアの表紙を見ることができ、ブラームスとシューベルトはヘンレ版を使用していることが分かりました(ベルクのスコアがどこの出版社のものかは分かりませんでした)。

ベルクのソナタは幻想的、神秘的な雰囲気と共に不安を感じました。まさに世紀末ウィーンでしか書き得なかったであろう、と思わされました。ブラームスは陰鬱な表情が際立つ演奏、シューベルトのソナタも第2楽章の悲しげな雰囲気が際立っていると感じました。
演奏会全体を通しての印象としては、陰影のある選曲と感じました。

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もし臨時収入が入ったら・・・

例えば15万か20万くらいの臨時収入が入ったら何を買うか?と考えてみた。

DVD+HDDレコーダーにするか、新しいPCか、まあそのどちらかかな、という気がする。
テレビを録画してまで見る習慣があまりないので、DVD+HDDレコーダーは優先度が下がってしまうが、とりあえず撮り貯めるだけ貯めておいて、後で興味のある番組だけ見る、という使い方ができるので、「あ~、あの番組見逃した」ということが少なくなるかもしれない。

PCは、今使ってるノートではVC++でのビルドが妙に遅くてイライラ・・・。2年位前、仕事を持って帰ってきてプロジェクトをリビルドしようとしたら、なんと!寝る前に始めたのに翌朝になってもまだビルドをしていて、完全に呆れ果てた、ということがあったし。職場のPCでは15分か30分くらいでフルビルドできたのに・・・。
今日も、3ヶ月前にVC.NET2005で作ったちょっとしたアプリのデバッグをしていたが、PCの動作のあまりのかったるさにイライラ・・・。
GatewayのCore 2 Quadのデスクトップが欲しいなあ、などと考え始めたがOSがVista Home Premium。
狭い我が家では今あるノートPCの他にもう1セット、モニタとキーボードとマウスを置くスペースがないので、デスクトップにはリモートデスクトップでログインして使う必要があるのだが、MicrosoftのサイトのVistaのエディションの比較ページによると、リモートデスクトップのサーバとして使えるのはBusinessエディションかUltimateエディション。
そうすると、選択肢としては、HomePremium→Businessへのアップグレードか、XP Proへのバージョンダウンのいずれかになる。特にVistaを使いたいわけではないし、OSの動作自体にマシンパワーを取られたくないし、現時点ではXP Proで十分満足しているので、XPにバージョンダウンかなぁ・・・。

それもこれも、『臨時収入が入ったら』のハナシなんですが・・・。

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演奏会案内:2007年12月分

2007年12月に開催される演奏会のうち、個人的に気になるものを紹介していきます。

12月1日(土)15:00 京都府立府民ホール アルティ
船橋美穂 ピアノアンサンブルシリーズ Vol.9

ピアノ    船橋美穂
ヴァイオリン 森 悠子 谷本華子
ヴィオラ   山本由美子
チェロ    五味敬子

曲目
モーツァルト    ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.358p (414)
クララ・シューマン ピアノ三重奏曲 ト短調 op.17
フランク      ピアノ五重奏曲 ヘ短調

アンサンブル・ピアニストとして個人的に注目している船橋美穂さんと、長岡京室内アンサンブルの精鋭女性メンバーとの共演であることと、聴く機会の少なそうなクララ・シューマンの作品を取り上げている、ということで興味深い演奏会です。

12月1日(土)17:00 バロックザール 青山音楽記念館
木村綾子 ピアノリサイタル ~2003年度青山音楽賞受賞研修成果披露演奏会~

曲目
ベートーヴェン ピアノソナタ 第26番 変ホ長調 op.81a「告別」
シューマン   ピアノソナタ 第2番 ト短調 op.22
リスト      ハンガリー狂詩曲 第6番
ブラームス   ピアノ小品集 op.119
ラヴェル    水の戯れ
プロコフィエフ ピアノソナタ 第7番 op.83

一目するだけで非常にバラエティ豊かな曲目でどんな演奏会になるのかが楽しみです。

12月1日(土)15:00 神戸学院大学(有瀬キャンパス) メモリアルホール (9号館6階)
仲道郁代(ピアノ)・長谷川陽子(チェロ) デュオの午後
神戸学院大学 Green Festival 第261回

曲目
J. S. バッハ  無伴奏チェロ組曲 第6番 二長調 BWV.1012
ベートーヴェン チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69
ブラームス   チェロ・ソナタ 第2番 へ長調 op.99

入場料:無料(要申込・別項参照) 問い合わせ:神戸学院大学 グリーンフェスティバル係(078-974-6105)

神戸学院大学主催のグリーンフェスティバルというイベントは、毎年有名演奏家を招いて非常に質の高い演奏会を数多く開催しています。しかも無料というのがうれしいです!
また、休憩時間に聴衆からインタビュー内容を募集し、それを休憩後に名物教授の上村教授がインタビュワーとして出演者にインタビューするのが好評なようです。

同じ日に聴きたい演奏会が3つも重なったのは・・・コンサートゴアー歴10年強ですがはじめてかも。どれか1つの演奏会を選ぶのはなかなか迷うところです。

12月6日(木)19:00 バロックザール 青山音楽記念館
森本英希 フルートリサイタル

ピアノ 山口博明

曲目
サン=サーンス ロマンス op.37,オデレッテ op.162
フォーレ     ファンタジー op.79
ケクラン     フルートソナタ op.52
プーランク    フルートソナタ

オール・フランス・プロで、しかもめったに聴く機会のないケクランを取り上げている点で注目です。

12月13日(木)19:00 イシハラホール
堤 剛(チェロ) & 野平一郎(ピアノ) デュオ リサイタル

曲目
ベートーヴェン チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69
野平一郎   チェロとピアノのための錯乱のテクスチュア IV
プーランク   チェロ・ソナタ
ショパン    チェロとピアノのための序奏とポロネーズ・ブリランテ op.3

演奏機会のほとんどなさそうなプーランクのチェロソナタを取り上げているという一点だけで注目です。

12月16日(日)15:00 バロックザール 青山音楽記念館
佐野まり子 ピアノリサイタル

曲目
ベートーヴェン ロンド ト短調 op.51-2
         6つのパガテル
         ピアノソナタ 第26番 変ホ長調 op.81a「告別」
         ピアノソナタ 第32番 ハ短調 op.111

12月というと「第九」かクリスマスメドレーというのが良くありがちな演奏会の曲目ですが、ベートーヴェンのピアノ曲だけを取り上げた意欲的な演奏会と注目しています。

12月22日(土)18:30 バロックザール 青山音楽記念館
内田佳宏 チェロリサイタル

ピアノ 谷合千文

曲目
ベートーヴェン   チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 op.69
ドビュッシー    チェロとピアノのためのソナタ
リゲティ       無伴奏チェロソナタ
ショスタコーヴィチ チェロソナタ ニ短調 op.40

クリスマス前にこのような濃いプログラムを聴くことができるのはとても楽しみです。リゲティのチェロ作品はCDすら持っていないので、これも楽しみです。

12月31日(月)15:00 東京文化会館 小ホール
ベートーヴェン弦楽四重奏曲[8曲]演奏会

演奏
クァルテット エクセルシオ  澤クァルテット  古典四重奏団

曲目
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲
 op.74 変ホ長調「ハープ」
 op.95 ヘ短調「セリオーソ」
 op.127 変ホ長調
 op.130 変ロ長調
 op.131 嬰ハ短調
 op.132 イ短調
 op.133 変ロ長調「大フーガ」
 op.135 ヘ長調

大晦日にベートーヴェンの中期・後期の弦楽四重奏曲を一気に演奏してしまうという気合の入りようです。聴く側も相当気合を入れ体力を蓄えて臨む必要があるでしょう。現時点で既にチケットと終演後の宿泊先まで押さえています(後は新幹線のチケットを押さえるだけ)。
クァルテット エクセルシオの演奏はもしかすると過去に1,2度聴いたことがあるかもしれません。
澤クァルテットは2000年から2001年にかけてのベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスを全6回のうち少なくとも4回は聴きにいっていて(そのときのレポートはこちらで)、再び澤クァルテットの演奏を聴けるのは楽しみです。
古典四重奏団はたしか2000年ごろに後期作品全曲のCDをリリースしていて、その頃から注目している団体です。
どの団体がどの曲を弾くのかも含めて非常に楽しみな演奏会です。

主催の音楽事務所のWebサイトに掲載されていたチラシによると、

クァルテット エクセルシオ
op.74 変ホ長調「ハープ」
op.95 ヘ短調「セリオーソ」

澤クァルテット
op.127 変ホ長調
op.130 変ロ長調
op.133 変ロ長調「大フーガ」

古典四重奏団
op.131 嬰ハ短調
op.132 イ短調
op.135 ヘ長調

ということでした。(11/05追記)

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CDレポート:アファナシエフの「展覧会の絵」

Amazonで見つけた、アファナシエフ演奏の「展覧会の絵」のCDが届いたのでさっそく聴いてみました。

ここ数年、アファナシエフのCDを見つけると半ば衝動的に買い集めています。そのきっかけとなったのは5年前に聴いた、ルクーのチェロソナタの演奏会です。非常に遅いテンポであたかも一音一音にこめられた意図を暴きだすかのような演奏にいっぺんで心を惹かれてしまったのでした(逆にいっぺんで拒絶してしまう人も少なからずいるでしょうが)。

実際に聴いてみると、期待に違わず非常に独創的な演奏でした。まず何よりもテンポが遅く、低音の響きが豊かなことが印象的です。「グノームス」や「ビドゥオ」、「カタコンブ」、「キエフの大門」は参考に聴き比べたWeissenbergのCDの倍近い演奏時間なのは特筆すべきかもしれません。以下、特に印象に残った曲について記します。
「グノームス」は(CDの解説ではホラー的な怪奇性と評していましたが)何とも言えない不気味さが渦巻いている、「ビドゥオ」は非常に重々しく辛そうな足取り、という印象を受けました。
「カタコンブ」(後半部分は「死者ニヨル死者ノ言葉デ」という別トラックになっている)は「リモージュ」から切れ目なしに始まる重く長い和音の連続と沈痛に響く「プロムナード」の旋律とが悲しい雰囲気を醸し出しています。
「鶏の足の上の小屋」は一転して躍動的な演奏です(アファナシエフの普段の遅いテンポからすればの話ですが)。
「キエフの大門」は遅いテンポで雄弁に語る、といった表現がふさわしそうな、非常にドラマチックな演奏です。

後にはムソルグスキーのピアノ小品が5曲収められていますが、これも貴重なものだと思われます。

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